2010年8月5日木曜日

高度防水携帯の技術⑥

そして今回は電池部です。

本音を言えば、
「交換できなくてもいいじゃないですか~」
という感じです。

電池交換を成立させるために
コストもサイズもアップします。
防水構造ならなおさらです。

ここを割り切ったアップルさんの商品は
価格的にもサイズ的にも魅力的なものになってますよね♪

交換式の電池接点は
落下時等に「瞬間断線」的な現象が起きて、
これが結構システムトラブルの元にもなります。

なので
電池が切れたときは外部電源に接続する。と。

そのために「技術①」で紹介した防水コネクタを
用意したわけです。


しかし、
日本のキャリア様の規格では
電池が交換出来ることが基本のようなので
こんなものを考えました。


<特開2009-259718>画像はIPDLよりキャプチャ
防水コネクタもそうですが、
「端子が濡れた状況でも装着、交換可能」
が基本コンセプトです。

逃げ場の無い大雨の中、
電池切れで通信不能になっても
その状況下で電池が交換可能です。

「蓋を開けたら非防水」
「端子が乾燥してから装着」
では、
一刻を争う緊急時に使い物になりません。

そこでこの特許では
1.端子同士の電極間防水をまず行い
2.その状況を保ちつつスライドさせて電極を接触
3.本体側端子軸を回転させ電池を格納
という3段階の動作を設定しました。

先に電極間防水をすることでショートを防ぎ、
本体と電池電極とのシール構造を
実績のあるOリングタイプとすることで、
安全性と信頼性を獲得します。

当然、電池が組み付く前の状態でも
防水構造を維持しています。


前の会社で私の名前で出願した特許の中では
この特許だけが「審査請求」されてましたね♪

知財部の担当者が妙に乗り気だったのを覚えています。


カード部を含む電池部は
もっと様々なトライをしていたんですが、
公開特許になってませんので
残念ながらここではご紹介できません。

一応全ての開発ドキュメントは纏めてきましたので、
そのうち形になって出てくるといいんですけど
やっぱり無理かも・・・


私は当時社内でかなり浮いてましたからね~
勝手に目標立てて暴走。
賛同者も少なく、共同開発者もおらず。
という残念な感じでした^^;

しかし、
「世界初」を成し遂げるには「信念」が必要です。
誰かに言われて出来るもんじゃないですよね☆

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