昨年出願の2件目
電気自動車給電用「防水コネクタ」が拒絶査定を受けました><
拒絶査定とは、
特許査定の反対で「これは特許になりませんよ」と言い渡されることです。
この「防水コネクタ」は、現在の電気自動車用の給電コネクタが
電極を露出したまま(特に雨中で)ユーザーが操作する点を危険と判断し、
コネクタが結合される前は常時シャッターで電極が覆われ、
さらに電極の接触とコネクターの連結ロックを連動させて
電気が流れている間はコネクタが外れない2重の安全構造としたものでした。
しかし実は出願前から特許になりづらい内容であることは理解していました。
コネクタ電極部分の露出を避けるという「シャッター構造」と、
充電などの通電時にはコネクタが抜けることの無いよう
「電極とコネクタの組み付けロックを連動させた構造」という
既存の技術を組み合わせたもので、
技術的な内容としては「特許(発明)」というより「実用新案(考案)」レベル。
さらにこの特許の効果の中心は安全であり、
コストや性能などと違って評価しづらいものであることと、最近特に
安全の評価は危険な事態が実際起きないと理解されづらいことからです。
電気自動車の給電で感電ともなれば
大事になるのは容易に予測できそうではありますが・・・
でもなぜ「特許」として出願したかといえば、
それは特許法改正後、登録制となった実用新案にあります。
登録制となった実用新案は審査が行われないため、
企業に持ち込んでも相手にされない場合が多いとのこと。
一応、技術審査というオプションもありますが
これが特許審査と同じぐらい高いお金がかかります。
企業に持ち込むにあたっても
「実用新案」より「特許」の方がインパクトあるでしょうし。
じゃあ、技術的な進歩が乏しくても
安全技術としての効果で特許が取れればと考えて出した訳です。
実際、
出願した構成のコネクタは世界にありませんし、
これが実現されることで
特に電気自動車給電時の安全が大きく高まります。
現在のタイプは、雨中のコネクタ接続時に
制御ソフトが壊れていたら感電の危険がありますからね~
じゅうぶん可能性があると思って出願したのですがダメでした。
でもちょっと納得していないところもあります。
拒絶通知の中身には技術者として疑問が残る記述もあり、
「この審査官、防水コネクタの現実を知らないんじゃ・・・」
と審査官の判断に疑惑を感じるところもありました。
これまで出願した3件の拒絶通知を受け取ってますが、
この防水コネクタの通知は「日本語が通じない」空気が漂います。
ここで以前、一緒に仕事したコネクターメーカーの担当者さんが、
「コネクターの特許ってなかなか取れないんですよ」
と言っていたのを思い出しました。
実はここが問題なのかも。。。
一応、この判断を不服とした場合には
特許庁長官に対して審判を要求することが出来ます。
5万円ぐらいかかりますが^^;
拒絶査定通知が来た時点では結構頭に血が上っていたので
5万なら勉強がてら審判請求しようかと思ったのですが、
実際
冷静に考えて世界に広めるなら
日本発ではなくアメリカ発だろう。
と思い直しました。
日本発のコネクタ規格なんて最近聞きませんからね~
この「防水コネクタ」はもう少し完成度を高め、
今後国際特許出願の方向で進めたいと現在考えています。
2010年4月28日水曜日
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