2010年3月11日木曜日

耐水圧型 防水マイクロフォン構造

半年間、オフロードサーキットの設計と改修を毎日のように行って、
一区切りがついたところでやっと思い出しました。

「防水携帯の技術は進めなければ」

進めるも何もまずは企業が職場の門を開いてくれなさそうだったので、
理論で開発して特許化しよう。と考えました。

最近はネット回線を使ったインターネット出願が可能で
直接特許庁と自宅PCで通信ができるようになっています。
使えるようになればかなり便利なシステムですが、そこはお役所仕事。
使えるようになるまでが大変でした><
まあ、ここは割愛します^^

防水携帯の構造を考えるにあたって、
最初に特許化しようとしたのはやはり音響関係でした。
先日もお話したとおり、ここ以外の部位は時計と同じ構造で可能だからです。

前の職場での問題点をまとめ、変更構造を絵に描き、
変更構造の問題点を挙げ、再度構造変更を絵に描き・・・を繰り返しました。

2次振動板と水圧がかかった時用のバックアップ構造があれば、
一定の温度での使用には全く問題ない耐圧防水構造ができます。

問題は温度が変化した時です。

完全密封構造となる完全防水型携帯電話のケース内では
当然のように隙間に入っている空気の容積が変化します。

この変化した容積が、音響部の2次振動膜に押し寄せるわけです。
ケースを変形させるより、薄い膜の方が変形させ易いですよね。
結果、本当に少しの温度変化でスピーカーとマイクの2次振動膜はパンパン。。。

この内部空気の容積変化を吸収するために

魚の浮き袋のようなダイアフラム構造を作ったり、
内部容積を少なくするために充填剤を隙間に注入したり、
スピーカーやマイクが組みつけられるケースの部位を独立した密閉部屋にしたり、

そんなことを考えましたが、
どれも手間がかかるものばかり。
量産して儲かる構造とは程遠い感じ。

「とりあえず作ってみて」が成立するのは試作のみ。

考えつくしたつもりでも、考えもしないトラブルが起きるのが量産です。
量産のための特許であれば、完全を期さねばなりません。
簡単な構造で最大の効果を生む組み合わせは無いものかと。

そして、
マイクの絵を描いてて思いついたわけです。

「マイクに入れちゃうか」

現在携帯電話に使用されているコンデンサ型マイクロフォンは
外観が円柱。Oリングでシールしやすい形状です。

これまで既存のマイクロフォンを使用してケース側で対応しようとしてましたが、
マイクにも「防水構造」を担当してもらえば、マイク内で独立した部屋を作れます。
マイクの中だけの温度容積変化なら、実用上の性能を得られるかもしれない。

早速絵を描いてみました。
最近は2次元CADソフトがなんとフリーで入手できます。
JW-CADさん、お世話になってます^^>

図中番号は以下です。

1 スペーサ
1w 防水構造(ゴム系のシール部材)
2 防水2次振動膜
3 バックアップリング
10 ケース
104 振動膜
105 絶縁リング
106 背極板
107 ホルダ
108 ICチップ
109 回路基板
110 電気的接続(背極板ーIC)
111、112 電気的接続(IC-機器回路基板)

100番台は既存の構造と全く同じことを示しています。


既存の構造に3部品を加えるだけでOKです。
試作評価はもちろん行っていませんが、理論的に外してるところは無いと思われます。

携帯電話本体ケースへの取り付け構造はこんな感じです。

13 Oリング
15 電子機器ケース
16 電子機器回路基板

ケース設計の時点でマイクロフォン防水部のスペックを出してあげれば
品質上の管理も問題ないでしょう。

マイクロフォンを作ってるメーカーさんにしても
それほど難しい構造にはなってないと思うんですよね。

そして、スピーカー部も同様な構造とすることで対応可能となります。


この構造にはメリットがもうひとつ。

「組み立て上の取り扱いが楽」になります。

ケースに2次振動膜を付けようものなら、エアブローなんて厳禁です。
ホコリを飛ばすつもりが、膜を破っちゃいます^^;

マイク・スピーカーで組みあがって来てくれれば
組み立てラインでの取り扱いに気を使わなくてすみ、
これが工数削減と品質向上につながるでしょう。

今の防水膜を貼る作業より簡単じゃないですか?

つまり、
今の防水携帯より組み立てコストを下げられて
高性能の防水携帯が作れるわけです。
セットメーカさんにも嬉しい部品になると思います。

どうでしょう。

現在パートナーとなる「コンデンサマイクのメーカーさん」を大募集中です☆

ご連絡、ご指摘、ご提案などあれば、下記メールまで。
damonb92@gmail.com

よろしくお願いします^^

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