2013年12月28日土曜日

毒性タンパク質が引き起こす認知症

収容施設不足で社会問題にもなっている
認知症。

どんな原因で発生するかも不明、
発症すれば進行を止めることもほぼ不可能。

どれだけ親しい人でも、
自分が誰かすら忘れてしまい
最終的には死に至る
本当に悲しい病気であります。

認知症を発症した脳には
本来そこにあるはずのないタンパク質の塊が出来ています。
この塊が狂牛病で脳を破壊する
毒性タンパク質「プリオン」によく似ているとのこと。

1930年代に発見された
ヒツジからヒツジに移る「スクレイピー」

人肉を食べる儀式がある
パプアニューギニアのフォレ族にみられる「クールー」

これらも潜伏期間が長いこと、
何らかの感染病原体が存在し、
それが体内の脳以外の場所から脳へ達し脳を破壊することから、
同じ毒性タンパク質構造を持って伝染する病気と考えられています。

しかしその媒介手法が
「直接感染した同種を食べる」こと以外
よく分かっていないところが
これらのプリオン病を「恐怖イメージ」にしていますね。

狂牛病は感染した牛を食べると人間に感染する可能性があるということで
日本も輸入牛肉を大きく規制した時期もありました。

そしてこれらの病気を引き起こす
感染症病原体は
通常は無害なプリオンタンパク質が
ねじれて異常な形になった(ミスフォールドした)
もののみで出来ていることまでが分かっています。

ではそのミスフォールドはなぜ起こるのか。

ミスフォールド自体の原因はいまだ掴めていないようですが、
このミスフォールドの発生には
種(たね)となるタンパク質の存在があるようです。

動物実験では
アルツハイマー症患者の脳抽出液を注入されたマウスに
かなり早くミスフォールドタンパク質の集合体である
アミロイド班が生成されているとのこと。

この結果から
ミスフォールドしたタンパク質を生成するのは
ミスフォールドした「種タンパク質」になりそうですが、
試験管で強制的にミスフォールドさせたタンパク質では
このアミロイド班の生成は促進されなかったとのこと。

種タンパク質は人間(動物)の中で
ある目的を持って生成されたもののように見えます。

「同種を食らう事を無くす」
本来はこれだったはずなのです。
何故認知症のような症状を発生することになったんでしょうか。

人間のアルツハイマーを含む認知症は
人から人への感染が無いとされています。
ですが、
この「脳抽出液」に相当するものが人から人に媒介される可能性があると、
認知症も人から人にうつる可能性もゼロでは無いということかもしれません><

分からな過ぎて不安な認知症。

でもこの認知症に関しては
分からないことがまだまだ多そうです。
自分は大丈夫かな。。


日経サイエンス14年1月号より
抜粋してお伝えしました。

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