2015年6月29日月曜日

マリファナ医療

麻薬として知られるマリファナ(大麻)。
この医薬品としての効能が注目されています。

アメリカにおけるマリファナ医療の創始者
ハーバード大学の名誉准教授グリンスプーンによれば、

「マリファナは医薬品のなかで最も安全で毒性が少なく、
用途の広い薬とみなされることだろう」と。

実は1942年に削除される前
マリファナは米国薬局方に記載された
医薬品だったのです。

削除された理由は明白ではありませんが
感覚を麻痺させ気持ちをハイな状態にさせる、
その効能をコントロールできなかったから
なのではないでしょうか。

現在、
マリファナのハイをもたらす化学成分
「テトラヒドロカナンビノール(THC)」
これがどのように作用するのかが明確になってきました。

THCは脳内の2種類の受容体に結合します。

Aの受容体に結合すると
グルタミン酸やドーパミンなどの神経伝達物質の放出が阻害され
いわゆるハイな状態となり短期記憶が阻害されますが、
食欲増進や吐き気抑制の効果があり
体重維持を必要とする人や
抗がん剤投与を受けている患者への助けになります。

Bの受容体に結合すると
抗炎症効果が期待できます。
また
がん細胞にはこのB受容体が多く
これにTHCが結合するとがん細胞の成長が阻害される効果もあるとのこと。

製薬企業は既にこの可能性を追求し始めており、
アメリカでは認可が下りてないものの
カナダ他数カ国で発売されている薬もあります。

これからまたマリファナを麻薬ではなく
医療品として認識される日も近いかもしれませんね。


日経サイエンス2015年7月号から
抜粋してお届けしました。

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