2016年6月14日火曜日

認知症治療に光

現在有効な治療法が無いといわれる
アルツハイマー病やパーキンソン病を含む認知症。

アルツハイマー病では
脳組織の老廃物が細胞間に溜まり
おそらくそれが病気進行の原因となっています。

実は脳(および脊髄)などの老廃物除去システムは
これまではっきりと理解されていませんでした。

体のほとんどの領域では、
複雑な導管ネットワークである
「リンパ系」が老廃物除去を担っており、
最終的に老廃物は血管に流れ込み
肝臓で処理されます。

脳には
このリンパ系のような明確なネットワークが見られなかった為、
老廃物を脳内で処理しているのか
どこかに運び出されて処理されているのか
不明だったわけです。

しかし最近
このリンパ系のような機能を持つ細胞が
脳では血管の外壁に直接組み込まれていることが分り、
この老廃物を回収する機能が研究され出しています。

ここまでの研究結果では
この老廃物を除去する機能が働くのは「睡眠中」で
我々の脳が起きている時間ではほとんど機能していないとのこと。
マウスでの実験では睡眠中の機能は覚醒中に比較して
60%以上増加することが分っています。

別のグループによる実験でも
睡眠を奪ったマウスの脳に
老廃物の蓄積形態である
アミロイド班の形成が加速することが確認されています。

確実に効果が見込まれるこの機能の確認。
しかし
未だこれを治療法として検討している製薬会社は無いようです。
筆者はすぐ検討すべきと提案しています。
僕も認知症患者を身内に持つものとして
ここまで機能が明確に検証されていれば
即、薬としての検討を開始して欲しいと思いますね。

でも、まず我々が必要なのは睡眠です。
睡眠の重要性はいろいろなところで語られますが、
確実に削っていいものでは無いのは間違いありません。

眠くなったら寝るのが一番。ですね^^


日経サイエンス2016年7月号から
抜粋してお伝えしました。


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