2013年11月30日土曜日

東京モーターショー2013

ちょっと仕事が暇になったので
4年ぶりに見に行ってきました^^


まずは今年アメリカのモトクロスで圧倒的だった
ビロポート君のマシンから♪

しかし今回のメインはバイクではなく、
ちょっと前まで仕事で振り回されていた
各社小型ディーゼルエンジンの確認。

特に吸気系に関して
「こんな感じで本当にいいの?」
って思っていたところを、
いちおうレーシングエンジンの吸気系開発に携わった視点で
他のメーカーがどうやっているか見たかったのです。

そして見てきた感想は
「残念」の一言。

とくにVWとBMWにはがっかりでしたね。


写真はVWの最新小型ディーゼルエンジンですが、
吸気ポートの直前に「水冷インタークーラー」が置かれています。

ターボを使用するエンジンは
圧縮されてエンジンに送られる空気が熱くなってしまうので、
インタークーラーで空気を冷やします。

「冷やすならエンジンの近くがいい」
と思うのはわかりますが、
これでは吸気効率が下がります。

本来吸気は
吸気管を流れる気体重量の慣性を利用した「慣性効果」と
この慣性効果がバルブで閉じられて発生する
圧力脈動を利用した「脈動効果」によって、
エンジンのシリンダー内に100%以上の空気を詰め込みます。

この2つの効果を使用するには
相当の吸気管長(最大出力5000回転狙いで50cm程度)が必要で、
VWが行っている吸気系の配置では
この2つの効果が全く使用できないことになり、
つまりは本来の性能を発揮出来ない事態になるはずです。

「ターボで過給してるからいいじゃないか」

と思われるかもしれませんが、
排気規制上エンジン排気量も下げられられてしまうので
これまで使用してきた
物理現象を最大限利用した効果を捨てた結果、
「エコ」という名前の付いた走らないエンジンになっていると思われます。

ここまで吸気が追い込まれる理由は、
実は一応察しがついています。

それが「スペース」と「コスト」

まず、乗員スペースを拡大した結果として
エンジンルームはかなり狭くなりました。
その中でスペースが必要となる吸気管を
何処かに追いやりたくなる気持ちはわかります。

そしてこの複雑な形状の吸気管はまた
結構なコストが発生します。
これを他の部品と一体にして
部品点数とコストを一気に下げてしまおう
という考えも分かります。


こちらはトヨタの小型ディーゼルエンジン。
吸気管とシリンダーヘッドが一体成型されています。
本来この排気量が持つ性能を発揮できるエンジンとは思えない構造。


良い製品とは
「本来あるべき性能を持っている」ものと考えます。

車の場合、私は基本動力性能かなと思うのですが、
最近は乗員スペースとコストなのでしょうか。。

かなり残念な気持ちで見て回りました今回、
でも車のデザインは結構楽しめました。


いつもグっとくるポルシェデザイン。
実物で見ると迫力があります。
もちろんお値段も^^;


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