2019年7月17日水曜日

デンキウナギの生体センサー

皆さん良くご存知のデンキウナギ。
水中で電気を発して獲物を捕らえる魚です。

でも最近まで
この魚がどうやって餌を捕獲し
外敵を電気ショックにかけるか
あまりはっきりとは分っていませんでした。

体長2.5mにもなり
最大600Vの電圧を発生するこの魚は
発電細胞という何千もの丸い発電器官を持っており、
これが電気を貯めて放出する電池のように働きます。

通常獲物を捕らえるときは
電気ショックで殺してしまうのではなく
一時的に動けない状況にするという
スタンガン(最近ではテーザー銃)のような使い方をします。

しかしこれが研究を進めると
実際は外的な電圧で動けなくなるスタンガンとは違い
デンキウナギは相手の脳にパルスを送り
相手の脳を支配して筋肉を動かなくしているとのこと。
高度なリモート操作ですよ。

次にこれが外敵となってフルパワーが必要になった場合、
少々違う戦略が必要となります。

デンキウナギの作り出す電場は「双極子」と呼ばれるタイプで
頭の部分が陽極(+)となり
尻尾の部分が陰極(-)となります。
このタイプでは、
陽極と陰極を近づければ電撃の強度アップが可能で
通常の2倍以上のパワーが発揮されるようです。

川や沼でデンキウナギに出会ったら
足に絡まれないよう
距離を取ることが必要です^^

またこの魚は
ターゲットを探す際にもこの電気を使用します。
弱い電気を発生して電界を作り
そこで検知できる導電体を餌と判断するもの。
水中ならではの使い方ですが、
自動運転車のセンサーに使えないかな~なんて思っちゃいました。


<日経サイエンス 2019年7月号より抜粋してお届けしました>

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