2014年3月26日水曜日

重力波天文学

今、重力波で
この世界の始まりを観測しようという試みが
本格的に始まっています。

この世界の始まり。
ビッグバンのその瞬間は
これまで観測の中心であった光(電磁波)では観測できませんでした。

それは光の速度には
秒速30万kmという限界があるということが理由です。


ビッグバンから膨張し続ける宇宙を光で観測すると
光が我々まで到達できる範囲しか見えないのです。

つまり光での観測できる限界は
過去の光が到達できる限界。
ビッグバンから38万年後が光での観測限界です。

その先、
ビッグバンの瞬間までを観測可能なのが
重力波天文学なのです。

ではなぜこれまで
重力波での観測が行われなかったのか。

それは重力波が
光(電磁波)と違って物質への影響が非常に小さく、
検出しづらいため。

大きな重力波が到達しても
物体が変形したり
人間の感覚で感じ取れたりはしないのです。

このため観測技術の向上を待たねばなりませんでした。

現在主流となっている観測法は
L字に配置した2本のレーザー光を鏡で往復させ
重力波でレーザー光に出る影響を干渉波として検出するもの。

国立天文台が保有するTAMA300は
基線長が300mです。

そして現在、
ニュートリノを観測したことで有名になった
日本、奥飛騨の地下深くに
2020年代後半の稼働を目指して
基線長3000mとなる
世界最高性能の重力波望遠鏡の建設が進んでいます。

更に欧州宇宙機関(ESA)が
衛星軌道上に
2030年代の運用を目指して
重力波望遠鏡を計画中。

果たして、
重力波観測でこの世界は明らかになるのか。
また新しい理論が求められるのか。
楽しみにしたいですね^^


日経サイエンス誌2014年3月号より
抜粋して記載しました。




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