2012年4月3日火曜日

老化防止のキー「TOR」

DOC,DCS,SCRと
仕事でも私を悩ます3文字略称。

しかしこのTORは結構興味深い働きをするようです。


日経サイエンス誌によれば
このTORの活性をコントロールすることで
老化を遅らせることができるというもの。

最初は「老化防止なんて」と思って読み飛ばしてましたが、
良く読んでみると色々な関連が想像できる
面白い記事でした。


TORとは
ラパマイシン標的たんぱく質
(Target of Rapamycin)の略称。

ここで
ターゲットとして登場する
「ラパマイシン」と呼ばれる抗生物質。

イースター島で採取した土から発見された
この抗生物質を投与したマウスが
雄で9%、雌で14%の延命を達成しました。

では
この「ラパマイシン」を使って
人間の老化を遅らせることが出来るかというと、
このラパマイシン自体に
血中コレステロールを上げる・貧血を起こす・創傷の治癒を妨げる
等の副作用があるため、
残念ながら抗老化薬として使うことは出来ないそうです。


そこで再度登場のTOR。
この機能を解明して老化防止の手助けをしようというもの。

それではTORの機能とは何か。


TORは生物が若い時には
重要な栄養センサーとして働きます。

栄養が豊富な環境下では
たんぱく質の合成が優先され
細胞が成長することで個体を成長させます。

栄養が乏しい環境下では
細胞の成長が抑制され、自食作用を活性化することで
異常なたんぱく質や正常に機能しないミトコンドリアなどの
欠陥部品を分解し、リサイクルして利用します。


個体が若い時点ではうまく働いてくれたTORですが、
歳をとると有害な影響を与えます。


まず、TORの活性が続く状態となります。

老化して欠陥のある細胞が増殖。
加えて自食作用が抑えられる為、
細胞と組織の機能が低下し
加齢に伴う疾患が発症します。


このTORの暴走を止める効果が
ラパマイシンにはあるのです。

副作用がありますけど^^;


では他に何かないかといえば、
実は簡単な方法があったりします。

「カロリー制限♪」

このなんとも簡単で辛そうな手段は
酵母から蜘蛛、犬、猿まで
老化防止効果が認められているそうです。


寿命を延ばしたければ
カロリー制限するのが一番のようですよ^^


でもカロリー制限は生物にとって辛いので
これと同様の効果がある物質を
研究者の皆さんは探しているようですね。


ま、子孫を残した個体は邪魔にならないように
老化して死ぬというのが本来の機能なんでしょうけど、
人間は強欲ですからね~


TORの作用で
もう一つ気になったのが「自食作用」です。

若い人のニキビとか
自食作用が追いつかないからかのかな~
なんて思ってみたり。

生物って凄いですね♪

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