現在新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより
印象のよくない「ウイルス」。
「ウイルスなんて無ければいいのに」と現時点で考える人が多数でしょう。
将来的にウイルスにかからない対応案もあるようですが、
人類を含む生物はウイルス無しにはここまで進化を遂げられなかったほど
実は共存関係にありました。
全遺伝情報(ゲノム)にウイルス由来のDNAが無ければ
赤ちゃんを自らの体内で育てるという妊娠が成立しなかったり、
記憶形成の一部機能が無くなったり、
免疫系の調整機能が失われたり、
ガンへの抵抗力が不足したりと
我々は様々な能力をウイルスから獲得していることが分かっています。
つまりウイルスは人類にとっての「火」と同じく
常に悪でも常に善でもありません。
現在は悪い側面;宿主の細胞内で新しいウイルスがどんどん製造され
ついには細胞を突き破って外に飛び出す破壊行為を行う。
これが最悪我々を死に至らせます。
しかしそうでないものは良い側面;宿主に定着し、休眠状態になるか
宿主のゲノムに自分のゲノムを組み込む。
これが生物の進化に繋がります。
またウイルスは自ら複製しないため生物として扱われていませんが
最新の研究では太古の細胞が縮小して(自ら複製を止めて)
現在の姿となった。という説も考えられています。
そもそも宿主が居ないと複製できないのに
宿主を殺してしまっては自らを拡散できないので
ウイルスとしては大失敗と思いますが、
今回(COVID-19)に関しては元々宿主がコウモリだったようなので
人間側の対応が追い付かなかった状態なんでしょうか。
現在の混乱が一日も早く収束することを願うのみです。
(ナショナルジオグラフィック 2021年2月号より抜粋してお届けしました)
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