DOC,DCS,SCRと
仕事でも私を悩ます3文字略称。
しかしこのTORは結構興味深い働きをするようです。
日経サイエンス誌によれば
このTORの活性をコントロールすることで
老化を遅らせることができるというもの。
最初は「老化防止なんて」と思って読み飛ばしてましたが、
良く読んでみると色々な関連が想像できる
面白い記事でした。
TORとは
ラパマイシン標的たんぱく質
(Target of Rapamycin)の略称。
ここで
ターゲットとして登場する
「ラパマイシン」と呼ばれる抗生物質。
イースター島で採取した土から発見された
この抗生物質を投与したマウスが
雄で9%、雌で14%の延命を達成しました。
では
この「ラパマイシン」を使って
人間の老化を遅らせることが出来るかというと、
このラパマイシン自体に
血中コレステロールを上げる・貧血を起こす・創傷の治癒を妨げる
等の副作用があるため、
残念ながら抗老化薬として使うことは出来ないそうです。
そこで再度登場のTOR。
この機能を解明して老化防止の手助けをしようというもの。
それではTORの機能とは何か。
TORは生物が若い時には
重要な栄養センサーとして働きます。
栄養が豊富な環境下では
たんぱく質の合成が優先され
細胞が成長することで個体を成長させます。
栄養が乏しい環境下では
細胞の成長が抑制され、自食作用を活性化することで
異常なたんぱく質や正常に機能しないミトコンドリアなどの
欠陥部品を分解し、リサイクルして利用します。
個体が若い時点ではうまく働いてくれたTORですが、
歳をとると有害な影響を与えます。
まず、TORの活性が続く状態となります。
老化して欠陥のある細胞が増殖。
加えて自食作用が抑えられる為、
細胞と組織の機能が低下し
加齢に伴う疾患が発症します。
このTORの暴走を止める効果が
ラパマイシンにはあるのです。
副作用がありますけど^^;
では他に何かないかといえば、
実は簡単な方法があったりします。
「カロリー制限♪」
このなんとも簡単で辛そうな手段は
酵母から蜘蛛、犬、猿まで
老化防止効果が認められているそうです。
寿命を延ばしたければ
カロリー制限するのが一番のようですよ^^
でもカロリー制限は生物にとって辛いので
これと同様の効果がある物質を
研究者の皆さんは探しているようですね。
ま、子孫を残した個体は邪魔にならないように
老化して死ぬというのが本来の機能なんでしょうけど、
人間は強欲ですからね~
TORの作用で
もう一つ気になったのが「自食作用」です。
若い人のニキビとか
自食作用が追いつかないからかのかな~
なんて思ってみたり。
生物って凄いですね♪