これまで新材料の開発は
試行錯誤の連続でした。
エジソンは電球用の発光材料を見つけるまで
数千種類の炭素素材を試したそうで、
最近でも新素材の開発も大きく変化なく
開発者の勘が大きく影響する状況。
この旧来の方法を一新するのが
「ハイスループット計算材料設計」です。
考え方としては簡単で
スーパーコンピューターで何千種類もの化合物を
同時に仮想的に検討し、
新材料の最良の成分を探し出します。
その計算された成分から最適な結晶構造を計算し、
試行錯誤することなく理想の材料を得ようというもの。
最適な結晶構造の構築には
原子をひとつひとつ並べ替える技術が使われます。
現在はまだ
データベースを構築している段階のようですが、
この材料設計方法を用いて現実化が期待されているのが
①半導体素材をシリコンからグラフェンへ
⇒現在のものより数千倍速いトランジスタ
②二酸化チタン等の光触媒を最適化
⇒太陽光と空気でメタノール似の液体燃料に変換する人工葉
③熱電材料の最適化
⇒排熱を回収して電気として再利用する効率の改善
など。
FEM強度解析で構造の最適化が進んだ現在、
今度は材料のブレイクスルーがあるのか。
期待したいところですね。
日経サイエンス2014年5月号から抜粋してお伝えしました。
2014年4月23日水曜日
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